血液透析(HD)の特徴 1.通常、医療機関で行います。 2.通院は週3回程度で、医療スタッフが治療を行います。1回の治療時間は4時間~5時間程度です。 3.血液透析には内シャント手術が必要です。それは動脈と静脈をつなぎ合わせる手術で、静脈に多くの血液が流れるようにします。 4.シャントに刺した針から血液を体の外に取り出し、体にたまった余分な水分や老廃物を器械で取り除きます。 5.治療中に動き回ることはできませんが、患者さん同士でおしゃべりしたり、テレビを見たり、読書をして過ごす方が多いようです。 しくみ 血液を体外に取り出しダイアライザーと呼ばれる透析器(人工膜)を通すことによって、血液中の老廃物や余分な水分を取り除き血液を浄化します。きれいになった血液は、再び体内に戻されます。血液をダイアライザーに送るためには、血管に針を刺して血液を体外循環させる必要があります。そこで、内シャントを増設します。それは腕の動脈と静脈をつなぎ合わせる手術で、静脈に多くの血液が流れるようにする手術です。血管が細い患者さんでは、人工血管を使って動脈と静脈をつなぎ合わせることもあります。内シャントは透析療法を始める1~2ヵ月ぐらい前に約1時間の手術を行って右手か左手、どちらかの腕につくります。シャント等を総称してブラッドアクセスと呼ぶこともあり、シャントは患者さんの大切な生命線です。シャントのある腕もふつうに使ってかまいませんが、外傷や、シャントに強い力がかからないように、シャントのある腕は、袖口のきつい服を着ない、血圧測定や採血をしない、腕時計をしないなど、注意が必要です。緊急で血液透析(HD)を開始する場合には、カテーテルとよばれる管を一時的に、太い静脈へ留置する場合もあります。
透析(とうせき)、人工透析(じんこうとうせき)とは、医療行為のひとつで腎臓の機能を人工的に代替することです。
正しくは、血液透析療法です。
腎不全に陥った患者が尿毒症になるのを防止するには、外的な手段で血液の「老廃物除去」「電解質維持」「水分量維持」を行わなければなりません。 この医療行為を血液透析と呼び、人工腎、血液浄化と呼ばれることもあります。
Q.高齢者でもできますか。 Q.食事制限はどうなりますか。 Q.入浴はできますか。 Q.外見は大きく変化してしまうのでしょうか。 Q.旅行はできますか。 Q.性交渉に影響はありますか。 Q.妊娠することは可能ですか。 Q.スポーツはできますか。 Q.透析はお金がかかるのではと心配しています。
Q.透析を始めるとどのような生活になりますか。
血液透析(HD)は週3回、4~5時間の透析を受けるため少なからず生活は変わります。透析を受ける日には、一日のスケジューリングをきちんと行い、治療生活と仕事や学業とのバランスをとりましょう。
腹膜透析(PD)は、日中数回(1回約30分)透析液を交換して治療をします。自分のライフスタイルに合ったスケジュールを組むことが可能です。特にAPDであれば就寝中に行いますので、これまでに近い通勤や通学が可能です。
高齢の方でも、透析をされている方はたくさんいます。
血液透析(HD)の場合は、治療後、倦怠感を訴える方が多いようです。治療は病院で医師やスタッフが行います。ただし、ご自身で通院ができない場合は家族の協力や通院サービスの利用が必要となります。
腹膜透析(PD)の場合は、24時間連続してゆっくり治療を行う体に優しい方法ですので、高齢の方にも適していると言われています。治療を自分で行うことに不安を感じる方が多くいらっしゃいますが、病院で十分な教育をうけ自宅での治療を開始しますので、多くの高齢者の方がご自身で治療を行っています。ご自身で操作ができない場合は、家族や訪問看護師の介助が必要となります。
とくに高齢の方は低栄養状態になりやすいので積極的に食事をとる工夫が大切です。
血液透析(HD)の場合は、1~2日置きの治療ですので、特に水分・塩分・カリウムのコントロールが大切です。腹膜透析(PD)の場合は、透析液に糖分が含まれていますので、エネルギーは控えめに。ただし、カリウムは透析液の中に出てしまうので、野菜や果物の制限は緩やかです。
入浴はできます。
血液透析(HD)の場合は、透析治療をした当日は、入浴は避けましょう。
腹膜透析(PD)の場合は、お腹からカテーテルがでていますので、個人の状態によっては、必要に応じてカテーテル周囲を保護して入浴します。主治医にご相談ください。
血液透析(HD)の内シャントは、皮膚の下につくるので、基本的には外からは見えませんが、針を刺した跡はしばらく残ります。腹膜透析(PD)の場合は、カテーテルが体の外に出ている部分は30cm程度です。多少注意は必要ですが、日常生活に大きな支障はありません。カテーテルは衣類で問題なく隠すことができますが、慣れるまでは多少気になるかも知れません。
血液透析(HD)の場合は、旅行中でも透析日には透析を受ける必要があります。透析日に治療を受けられるように、主治医を通じて目的地の病院にあらかじめ血液透析(HD)の予約を入れておけば、旅行も可能です。
腹膜透析(PD)の場合にも旅行先で普段通り透析を行います。透析液や備品をあらかじめ手配し、バッグ交換を行う場所を確保すれば問題なく旅行が楽しめます。また、APDの場合は宿泊先で夜間行いますので日中の時間は比較的自由です。
血液透析(HD)、腹膜透析(PD)いずれの場合も、国内だけでなく海外旅行を楽しまれている方もたくさんいらっしゃいます。旅行を計画する際は、主治医や医療スタッフに早めに相談しましょう。
透析自体の影響はほとんどありません。但し、腎臓病に伴う抑うつや不安によって、性交渉に影響が現れる場合があります。また、ホルモンの変化や糖尿病、高血圧の治療薬の服用によっても、性欲に影響が現れる場合もあります。しかし、腎臓病だからといって満足のいく性交渉ができないわけではありません。パートナーと十分に話し合い、場合によっては主治医やソーシャルワーカーなどに相談しましょう。決して恥ずかしがる必要はありません。
男性の場合には、透析をしていても子供をつくる能力は保持されています。しかし、女性の場合は、腎不全がすすむにつれて、月経不順、無月経となり、受胎能力は低下します。妊娠は不可能ではありませんが、危険をともなうことがあるため、パートナーはもちろん、主治医と十分に話し合うことが大切です。
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、テニス、ゴルフなど、ほとんどのスポーツをすることができます。
血液透析(HD)の場合はシャントに気を付ける、腹膜透析(PD)の場合はカテーテルに気を付けるなど、治療の特徴によって注意点が変わりますので、どのようなスポーツなら問題ないか、あらかじめ主治医に相談してください。
「特定疾病療養受領証」と「身体障害者手帳」の取得手続きなどを行えば、世帯収入にもよりますが、医療費の自己負担はほとんどありません。これらの制度は患者さんからの手続き申請が基本ですので忘れずに行いましょう。
院内での管理におきましては、医療職員にまかせて自宅での自己管理をしっかりと行ってください。 ☆当院は管理上、夜間は全館施錠しています。朝の開錠は8時00分です。ご協力をお願いいたします。 1.透析ベッド(1回の稼動ベッド数) 2.透析受け入れ可能日 3.透析室対応時間 4.透析開始時間 6.更衣 7.定期採血 8.定期検査 9.入院が必要な場合 11.シャント手術
透析治療を受けられる患者の皆様へ、この透析案内を読んでいただき当院の透析治療についてご理解していただきたいと考えます。
透析治療上の処置に関しましては、透析室スタッフが責任をもって対応いたします。
また、透析治療は血液を体外に取り出して行う治療です。事故防止には充分な注意をしておりますが、治療上患者の皆様にも御協力が必要なこともあります。
宜しくお願いいたします。
合計100床(内:オンラインHDF 41床 : i-HDF 47床)
ベッドの場所、移動などの変更は患者様の希望による変更は行っておりませんので、ご了承ください。
尚、治療上ベッドの移動をお願いすることがありますので、ご協力をお願いいたします。
月~土曜日(昼間・夜間)、祝祭日の透析日の変更はありません。
ただし、緊急時に伴う透析変更が生じた場合は、ご連絡ください。
また、旅行などに伴い透析が変更の場合は、最低1週間前にはお申し出ください。
※変更希望表へ記載していただいています。
(ご希望の変更にはお答えできないこともあります。)
月~土曜日(9:00~24:00)
上記の時間帯以外は、病棟当直看護師が対応いたします。
シャントの閉塞や事故などによる緊急時の場合は、病院にご連絡ください。
また、透析日以外でも体調に変化がある場合は、当院にご連絡ください。
昼透析
外来患者様
入室09:00
穿刺開始09:20
夜透析
6時間透析
入室16:15
穿刺開始16:15
5時間透析
入室16:15
穿刺開始16:30
4時間透析
入室16:30
穿刺開始17:00
4時間透析の患者様は、5時間、6時間の患者様が全て透析開始した後になります
オーバーナイト透析
全患者様
入室20:00
穿刺開始20:30
5.準備していただく物
パジャマ・タオル・バスタオル・イヤホン(テレビ用)
割り箸と紙コップは当院で用意いたします。らく飲みやスプーンなどが必要の場合は、各自で用意してください。
また、透析室は衛生管理上の目的のため土足は禁としています。入室の際は専用スリッパをご使用ください。
尚、ご自分のスリッパをご使用の方は、その都度持ち帰り下駄箱に保管しないようにしてください。
患者様専用のロッカーを2階に準備しています。
貴重品などの紛失に関しては責任を負いかねますので、ロッカー室には置かないように気をつけてください。
また、ロッカーの容量が限られていますので、持ち物は必要最小限にしてくださるようにお願いいたします。
尚、ロッカー内への持ち物の保管はご遠慮ください。 帰宅時は、鍵を付けたままにしてください。
・毎月第1週と第3週の月曜日、火曜日
・定期胸部レントゲン日に血液ガスを(3ヵ月に1回)透析前後で測定
(必要に応じて検査はその都度行います)
尚、検査結果についてはその都度報告させていただきます。
祭日が採血日にあたると、採血日が変更することがあります。
ご協力をお願いいたします。
・胸部レントゲン、心電図・・・1~2か月に1回
・心エコー・・・適宜
・腹部エコー、頚部エコー・・・年1回
・CT-W・・・適宜
・骨密度測定・・・年1回
・全身骨・・・年1回撮影します。胸部レントゲンも一緒に撮影します。
・便潜血検査・・・4か月に1回
・脈波・・1ヶ月に1回
治療上、入院が必要な場合は当院3階に6床の入院ベッドを準備しています。
但し、医師の判断により他院での医療をしていただくこともあります。
ご了承ください。
入院患者様の昼間帯の透析室への入室は10時以降、夜間は16時とさせていただきます。
また、透析は夜間帯へ移動をお願いすることもあります。
ご協力をお願いいたします。
必要に応じてシャント手術を提携病院に依頼します。